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【解決事例】数次相続の苦労を教訓に。負の連鎖を断ち切る遺言書

「親の相続で大変な思いをしたからこそ、自分の時は誰にも迷惑をかけたくない」

当事務所にご相談に来られる方の中で、非常に多く聞かれる言葉です。

今回は、親の相続登記を放置していたことで発生した複雑な「数次相続(すうじそうぞく)」を解決し、その苦労を教訓として、すぐにご自身の完璧な生前対策(遺言書の作成)まで行われた、まさに「トラブル予防のモデルケース」とも言える解決事例をご紹介します。

1. 放置していた実家の相続と、最悪のタイミング

ご依頼者は、親と同居していた実家にお住まいの長女(Aさん)です。 お父様はずいぶん前(平成4年)にお亡くなりになっていましたが、実家の名義変更(相続登記)をしないまま長年放置されていました。

問題が起きたのは近年です。相続人の一人であった「二男」が亡くなってしまったのです(令和5年死亡)。

このように、相続手続きが終わらないうちに次の相続が発生することを「数次相続」と呼びます。二男が亡くなったことで、二男の「妻」と「子ども(姪)」たちが、新たな相続人として遺産分割協議に加わることになりました。

被相続人:父(すでに他界/名義変更を放置)
∥
母(すでに他界)
│
├─ 長男(ご依頼者の兄)
│
├─ ご依頼者Aさん(長女/今回実家を相続)
│
└─ 二男(放置している間に死亡)
∥
二男の妻(義姉/Aさんと折り合いが悪い)
│
├─ 二男の子(姪)
└─ 二男の子(姪・養子)

不仲な義姉との話し合い。司法書士がクッション役に

ご依頼者のAさんと、亡くなった二男の妻(義姉)は非常に折り合いが悪く、直接連絡を取り合って実家の分け方を話し合うことなど到底できない関係性でした。

そこで、当事務所が間に入り、ワンクッション置く形で義姉との連絡窓口を担当いたしました。司法書士という中立の第三者から、現在の法律上の状況や遺産分割の内容を客観的かつ丁寧にご説明した結果、無事にご納得いただき、Aさんの名義へと相続登記を完了させることができました。

2. 古い「抵当権」の抹消も同時に解決

実はこの実家には、もう一つの問題がありました。過去に組んでいた住宅ローンの「抵当権」が登記簿上に残ったままだったのです。

ローン自体はとうの昔に完済していましたが、金融機関から書類をもらったまま抹消登記を放置されていました。しかも、年月が経ちすぎたため、当時の金融機関は合併等で名称や住所が変わってしまっていました。

当事務所で金融機関の変遷(履歴)を調査し、現在の担当窓口へ連絡を取って新たな抹消書類を再発行してもらい、相続登記と併せて無事に抵当権の抹消も完了しました。

3. 「自分の時は揉めさせない」完璧な遺言書の作成

無事にすべての手続きが終わり一安心……というところですが、Aさんの対策はここで終わりませんでした。

Aさんには配偶者やお子様がいらっしゃいません。もしAさんが亡くなった場合、法律上の推定相続人は「長男(兄)」と、今回関わった「二男の子どもたち(代襲相続人)」になります。

「親の相続でこれだけ苦労した。あの子たち(二男の子)には自分の財産を絶対に相続させたくない」

その強い思いから、今回の解決を機に、ご自身の遺言書を作成したいとご依頼を受けました。

もしもの事態に備えた「予備的遺言」

当事務所のサポートのもと、公証役場にて確実な「公正証書遺言」を作成しました。内容は以下の通りです。

  1. 全財産を長男に相続させる

    これにより、二男の子どもたちには遺留分(最低限の取り分)がないため、完全に相続から外すことができます。

  2. 予備的遺言:もし長男が自分より先に亡くなっていたら、長男の子(甥)に相続させる

    遺言書は、財産を渡す相手が先に亡くなっているとその部分は無効になってしまいます。これを防ぐため、「もしもの時はこの人に」という第二候補を定めておく非常に有効なテクニックです。

遺言執行者に司法書士を指定

さらに、将来遺言書が見つかった際、銀行の解約や不動産の名義変更を誰が実行するのか(遺言執行者)についても、当事務所の司法書士を指定していただきました。作成当日は、当事務所の事務員とともに証人として同席し、手続きはすべて完了しました。

相続の苦労は、あなたの代で終わりにしませんか?

親の相続で親族関係がこじれ、疲弊してしまう方は少なくありません。しかし、Aさんのように「自分が苦労したからこそ、次の世代には絶対に迷惑をかけないよう対策をしておく」という行動こそが、負の連鎖を断ち切る唯一の方法です。

お子様がいらっしゃらない方にとって、遺言書はご自身の意思を実現し、残される大切な人を守るための必須アイテムです。川西市や宝塚市周辺で、複雑な相続手続きや確実な遺言書の作成をご検討中の方は、ぜひ瀬戸司法書士事務所までご相談ください。状況に応じた最適な生前対策をトータルでサポートいたします。

 

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