長年疎遠だった兄弟が亡くなり、ある日突然、役所から税金の通知が届いて初めて相続人になっていることを知るケースは非常に多く発生します。
今回は、死後8ヶ月が経過してから相続を知り、さらに戸籍調査の過程で「もう一人の兄弟の死亡」という思わぬ事実が発覚したことで、専門家の介入が必須となった相続放棄の事例をご紹介します。
相談者(妹)のもとに、遠方の市役所から突然「固定資産税納税義務代表者届」の提出を求める通知が届きました。 通知書には、被相続人である兄が亡くなったため、新しい所有者が決まるまでの間、相続人の中から納税の代表者を決めてほしいという旨が記載されていました。
相談者にとって、兄の死亡はこれが初耳でした。しかし、死亡日を確認するとすでに「死後8ヶ月」が経過しており、相談者は「相続放棄は3ヶ月以内に手続きしなければならないと聞いた。もう手遅れなのでは?」と大変不安な状態で当事務所へご相談にいらっしゃいました。
【解決のポイント】
相続放棄の期限は、「被相続人が死亡した日」からではなく、「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」です。今回のように、役所からの通知で初めて死亡の事実を知った場合は、その通知を受け取った日が起算点となるため、問題なく相続放棄の申述が可能であることをご説明し、ご依頼をお受けしました。
相続放棄の手続きを進めるためには、亡くなった方の戸籍謄本を収集して裁判所へ提出する必要があります。当事務所で兄の戸籍調査を進めたところ、衝撃的な事実が発覚しました。
兄が亡くなった後、もう一人の相続人であった「弟」もすでに死亡していたのです。
ご兄弟は全員が長年疎遠であったため、相談者は兄だけでなく弟の死亡にも気づいていませんでした。弟には配偶者や子どもがいなかったため、弟の唯一の相続人は「相談者(妹)」となります。
この事案の最も恐ろしい点は、「弟も、兄の財産(または負債)を相続する権利を持ったまま亡くなっている」という点です。
もし相談者がご自身で「兄の相続放棄」だけを行っていた場合、手続きは完了したように見えますが、実は「弟が引き継ぐはずだった兄の相続分」を、相談者が弟経由で相続してしまうことになります。
負債や不要な不動産を完全に手放すためには、以下の2つの手続きを同時に行う必要がありました。
・相談者自身としての「兄」の相続放棄
・亡くなった弟の相続人としての立場で行う、「弟」の相続放棄
ご自身で手続きをされていたら、戸籍の変動に気づかず、知らない間に負債や不要な不動産を背負うことになっていた可能性が高い、非常に危険な事案でした。当事務所で裁判所へ提出する「上申書」などの必要書類を的確に作成し、事情を詳細に説明した結果、無事にすべての相続放棄を完了させることができました。
長年音信不通だったご親族の相続では、思いもよらない戸籍の変動が起きていることが多々あります。役所から突然の通知が届いてお困りの方は、ご自身で判断せず、お早めに川西市・宝塚市の瀬戸司法書士事務所までご相談ください。
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